イチロー引退会見の失礼記者の質問にひたすらツッコミをいれていく【動画あり】

2019年3月21日、シアトル・マリナーズのイチロー選手(引退しましたが呼びやすいので敬称はすべて選手にします)が引退を発表し記者会見を行いました。引退会見は1時間半近くの長丁場となりましたが、すべての質問に対し自分の言葉で真摯な回答をしていたイチロー選手が印象的でした。

会見で生まれたイチロー選手の名言の数々については他の多くの方がまとめてくださると思うので、性格の悪い私は違和感を感じた記者の質問に注目してツッコミを入れていくことにします。私の主観を多分に含みますのでご了承ください。

各所にその質問があった動画内の時間の目安を書いておくので、気になった方は該当箇所を御覧ください。

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バウ企画って何?(18:00~)

まず、いきなり気になったのが司会者の挨拶「バウ企画、宮本と申します」。バウ企画とは何の会社なのか調べてみるとプロスポーツ選手のマネジメント会社のようです。ホームページにはイチロー選手の名前しかありませんでしたが、2010年には「ハンカチ王子」として一世を風靡した 北海道日本ハムファイターズ の斎藤佑樹選手と契約をしているようです。今回の会見はバウ企画が取り仕切っていたようですね。

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時間に限りがございますので、一回につき一答とさせていただきます(21:10~)

これも記者の質問を受ける前の司会者の方の発言で非常にどうでもいいのですが、一回につき一答とはどういう意味なのでしょうか?おそらく一回につき質問は1つというニュアンスなのでしょうがすこし気になりました。質問にどう答えるかはイチロー選手次第ですので一答というのは違和感があります。

それからこのあと多くの質問者が1人で何問も質問をしていたのには笑ってしまいました。前の質問に関連のある内容を補足的に連続して聞くならまだしも、全く別の内容を2問以上続けるのはルール違反ではないでしょうか。

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え?おかしなこと言ってます?(32:35~)

会見中にイチロー選手が何度か言っていた言葉。最初に発言したのはテレビ東京鷲見(すみ)アナウンサーの質問に答えた直後。これは私の想像なのですが、イチロー選手としては質問に回答し終えたと思ったのに質問者の反応が無かったので、戸惑っていたように見えました。鷲見アナとしてはイチロー選手がまだ何かしゃべるのではないかと待っていたのか、イチロー選手の感動的な回答に思わず言葉が出てこなかったのか、あるいは別の理由があるのかはわかりません。

このあとも何度か「おかしなこと言ってます?」と言う場面がありますが、それらは質問者が無反応なことに対しての戸惑いか、イチロー選手の照れ隠しではないかと思います。

どんなギフトをくださる?(37:20~)

日本テレビ徳島アナウンサーが
「この開幕シリーズを大きなギフトとおっしゃっていましたが、今回私達のほうが大きなギフトをもらったような気持ちで今いるんです。」
というと、イチロー選手はすかさず
「そんなアナウンサーっぽいこと言わないでくださいよ~。」
と茶化し気味に返します。こういうちょっと上手いことを言おうとしてるような質問の仕方は個人的にあまり好きではありません。イチロー選手が私の気持ちを代弁してくださっているようで、この瞬間は少しうれしかったです。

そして徳島アナの謎の質問
「これからどんなギフトを私たちにくださるのでしょうか?」
イチロー選手は食い気味に
「ないですよ。そんなの。無茶言わないでくださいよ。」
よくぞ言ってくださいました。質問の意図がわからない上に図々しいですよね。「ギフトください」なんてどの立場から言っているのでしょうか。せめて「今後なんらかの形で社会貢献等は考えているのか?」「今後ファンに対してしたいことはあるか?」のように意図の分かる質問をすべきだと思いました。

楽しかったということ ?(39:40~)

謎質問に対してもイチロー選手は昨年3月マリナーズにオファーをもらったときからこの日に至るまでの思いを語ってくれます。しかしこの後続けて徳島アナが
「今日涙が無く、むしろ笑顔が多いように見えたのは開幕シリーズが楽しかったということなのでしょうか?」
という質問をしていて、これはちょっとどうなのかなと思いました。

というのも直前に
「ケン・グリフィー・ジュニアが、『肩の荷をおろしたときに違う野球が見えてまた楽しくなる』という話をしていたがそういう瞬間はあったか?」(33:42~)
というサンケイスポーツの記者の質問に対してイチロー選手は
「プロ野球生活の中ですか?ないですね。これはないです。」
と、かなりはっきり断定的に答えてます。

続けて
「楽しかったのは94年までで、そのころから番付(周囲の評価という意味でしょう)を急にあげられてしんどかった。実力以上の評価をされるのはとても苦しい。そこからは達成感、満足感を味わうことはあったが純粋に楽しいということはなかった。」
という旨の発言をしています。にもかかわらず、最後の試合までヒットが打てずに苦しんでいるようにも見えたイチロー選手に対し「楽しかったということですか?」という質問は無神経ではないかと感じました。

イチロー選手が言葉をつまらせながら
「純粋に楽しいということではない。誰かの思いを背負うことはそれなりに重いことなので、そうやって一打席一打席立つことは簡単ではない。すごく疲れた。やっぱりヒット一本打ちたかった。(略」
と誠実に答えているのを見ているときは心苦しかったです。

引退を決めた理由は?(52:21~)

TBSビビットから上路(じょうじ)アナウンサーが今回引退を決めた理由を質問するのですが、1人目の質問者であるテレビ朝日の草薙アナウンサーが引退を決めたタイミングとその理由について質問しているので(21:29~)質問内容が重複しています。

草薙アナの質問に対してイチロー選手は
「元々今回東京ドームでプレーするところまでが契約上の予定であり、キャンプ終盤になっても結果が出せず、それを覆すことができなかった。」
と答えています。この言い方は、結果が出せるのであれば現役を続行したかったというニュアンスにもとらえることができるので、このことをもう一度聞くのは酷のような気がします。

ただ、直前の上路アナ自身の質問からの流れで、今まで何度も引退を覚悟してきたなかで、なぜ今回は引退する決断をしたのか聞きたいという意図もわからなくはないです。結果として「マリナーズ以外には行く気持ちがなかった。」という答えを引き出せたのは良かったと思いました。

チェンは元気?(1:11:24)

「台湾中央通信社の記者です。」と、名乗りません。もしくはキシャさんという名前だったのでしょうか?
「何か台湾のみなさんに伝えたいことはありませんか?例えば台湾に行きたいとか…」
台湾に対してポジティブな発言、台湾人が喜びそうな発言を欲しがりすぎて誘導している感じが伝わってきます。

「チェンが元気か知りたいですね。」
イチロー選手はマイアミ・マーリンズ時代のチームメイトであり中日ドラゴンズにも在籍していたチェン・ウェイン投手の近況を気にかけていました。台湾のファンにとっては自分の国の選手の名前が出てくるのはうれしいでしょうね。

知ってますアピールがすごい(1:22:22)

週刊SPA!のコジマ記者の質問。まず質問がめちゃくちゃ長いです。全部文章にすると長いのでところどころ省略しますね。全文気になる方はぜひ動画で御覧ください。

コジマ記者「3089本のヒットを打たれたメジャーリーグの試合、今日まで2653試合プレーされてらっしゃいました。 (略)最初バートロ・コロンと対戦した時に…(略)」
イチロー選手「ん?誰って言いました?コロン?コロンはインディアンスですよその当時。」
コ「コロンじゃないか…えー…」
イ「ハドソンです」
コ「ハドソンですね。ティム・ハドソンでしたね失礼しました。(略)のこととか思い出したこととかあったでしょうか?」

質問だけで約1分20秒もかかっています。省略した部分を全部書いたら文章が2倍以上になってしまいます。そんなに自分の知識を披露したいのでしょうか。そのうえ選手名を間違えてイチロー選手に訂正されています。これだけ長く質問しておいて、結局YesかNoで答えられる内容です。

イチロー選手の回答は至ってシンプル
「長い質問に対して大変失礼なんですけども、無いですね。」
コジマ記者も即
「はい、ありがとうございます。」
と返答。どうせならまたさらに長々語ってくれるとネタとしては面白かったのですが、引き際は意外とあっさりしてましたね。

何を得ましたか?(1:23:55~)

文化放送の斉藤アナウンサーによる質問
「プロ野球選手になるという夢を叶えてこれだけ成功して何を得ましたか?」
質問内容が曖昧すぎてイマイチ何を聞きたいのかがわかりません。名言っぽい言葉を欲しがってる感じがしてなんだか嫌です。

イチロー選手は「成功」という言葉にひっかかります。
「成功かどうかってわからないですよね。じゃあどっからが成功でそうじゃないのかっていうのは…」
最終的に
「できると思うから挑戦するのではなくで、やりたいと思えば挑戦すればいい。そのときにどんな結果が出ようとも後悔はない」
と質問内容とは全く関係ないですが、すごそうな名言が生まれました。ただ結局イチロー選手は質問内容がわからなくなってしまいます。

あらためて「何を得たか?」と質問されると
「まぁこんなものかなぁという感覚ですかね。」
と回答。深いのかどうかがわかりません。成功したかどうかはわからないけど、自分はこれくらいできる、またはできないことがわかったというニュアンスではないかと私は解釈しました。

大谷翔平が大好きすぎる人(1:31:58~)

なんとかテレビ(聞き取れませんでした)のヤマシナさん、質問内容は
「大谷選手と対戦したかったか?また、メジャーリーガーとしての大谷選手の今後に期待することは?」
大谷選手については夕刊フジのカタオカ記者の質問に回答済みであり(1:16:49~)、若干質問内容が重複してます。

「翔平は世界一にならなければいけない選手。」(本日2回目)
「僕がピッチャーで翔平バッターで対戦したかった。」
という回答を得るとさらにしつこく質問。
「今後大谷選手はどのようなメジャーリーガーになっていくと思いますか?」
大谷選手が大好きすぎます。最高の賛辞を2回ももらったのにまだ褒めてほしいのでしょうか。

しつこく聞いたことで、イチロー選手はこんな興味深いことを話しくれました。
「シーズンごとにピッチャーとバッターの年を分けて、サイヤング賞とホームラン王を。その二刀流は面白いと思う。」

集中力の切れたコバヤシくん(1:36:30~)

デイリースポーツのコバヤシ記者が「野球人生を振り返って誇れることは何か」を問いましたが、これについてイチロー選手は会見序盤でばっちり語っています。TBS井上アナウンサーの「野球人生で一番印象に残っているシーンは?」という質問に対して
「連続シーズン200本安打などいろいろな記録に立ち向かってきたがそれらは小さなことでしかない。去年の5月以降試合に出られなくなってからシーズン終了まで練習を続けることができたのがどんな記録よりも誇り。」

めちゃくちゃいいことを言っています。この会見で一番印象に残ると言っても過言ではない言葉です。コバヤシ記者は寝ていたのでしょうか?イチロー選手もたまらず
「これ先程お話しましたね。コバヤシくんも集中力切れてるんじゃないの?完全にその話したよねぇ?」
日本中、世界中の注目が集まる中、これは恥ずかしいですね。

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